今年で31歳になる女性です。私は24歳で夢を追いかけ田舎から上京しました。3年でダメなら地元帰るつもりでした。
ただ、何だかんだと東京に暮らし続けて、結果こちらで結婚する運びとなりました。職業はダンスインストラクターやメディアの振付などを少々。
他にも学生時代に出会ったダンスを通じて小さなコミュニティを作り、仕事をしております。
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ニートになったのは不摂生な生活による体調不良

もともと「決まった時間に決まった場所で毎日仕事するなんてごめんだ!」という感覚が強く、大学を卒業させてもらったにも関わらずダンサーになると言いだし親に心配をかけました。
当時「ダンスを仕事にしようと思う」と母親に相談したとき、何より身体の心配をされました。
ダンスを仕事にするということは一般社会と逆の生活サイクルを送ることになります。人が休んでいる時間帯がこちらの仕事時間になるからです。
母親の心配していた通り、寝る時間や食事をとるタイミング、食事の内容にもきちんと気が使えず、結果体調を崩してしまいました。
ことの発端は29歳の時でした。熱やだるさなどいわゆる風邪の感覚は全くないのに、耳下腺(耳の下のリンパ)が大きく腫れたことがきっかけでした。
ごはんを食べようにも、唾液が出ると耳下腺が刺激され激痛。いわゆるおたふく風邪の症状で、まともに食事もとれない状況でした。
おまけに運動をして血流が良くなるとたちまちその腫れた場所がジンジンと疼き、これは仕事にならないと決断し病院へ。
最初の頃は出された抗生物質を飲めば数日で症状は和らいでいたのですが、どんどんと効き目も弱くなっていきました。
もっと根本的な原因究明と治療をと思い大きな病院で検査しましたが、原因不明と突き返されました。恐らく疲れからくる症状だと言われました。
免疫力が低下したら耳下腺に出るタイプだとも診断されました。とにかく「身体を大事にしろというサインだ」と周りに繰り返し言われ、それであれば少し休憩してみようかと思ったことがきっかけでした。
ニート期間中は貯金額200万円を切り崩してダンス生活

今まで頑張って働いてきたんだしと開き直ってニート期間中はゆっくりと心身の休養のために過ごしました。
ゆっくりと休養しようと決めたものの、やはりニート期間中は収入がないのでお金の不安はありました。
仕事を辞めてすぐに失業保険が出るわけではなかったので、毎月減っていく貯金額を見ると不安になりました。
ただ、まずは身体を治すことを第一にと思いそこは割り切っていました。当時の生活費の内訳は以下の通りです。
- 家賃:65,000円
- 携帯料金:10,000円
- 水道光熱費:15,000円
- 住民税・国民年金・健康保険料:35,000円
- 食費:20,000円
毎月固定で出て行く費用だけでも13万円程度だったと思います。貯金額は当時200万円程度でした。
30代に突入していたにも関わらずかなり少ない方だったかと思います。趣味も仕事も一貫してダンス!だった私にとって、趣味といえるのはダンスレッスンを受けに行く・また、よく踊れる身体づくりの2つでした。
月1万のダンススタジオ月謝と、月5,000円のヨガ教室の月謝。これらは自分のダンススキルのために使っていました。
無職のニート期間中に行ったパーティーで知り合った男性と結婚

大学からの同級生で、私より少し早く上京していた友人が恋のキューピットでした。その友人というのは異性の同級生でした。
東京に出てきてIT業界で成功し、周りにも頼もしい仲間を多く持つ人でした。私が30代に突入しおまけに仕事もうまくいかない状況だと言うことを不憫に思ったのでしょうか。
「オレの周りが集まるパーティーがあるからおいでよ」と頻繁に誘われるようになりました。
それまでは毎日毎日ダンスのことばかり考えていましたが、仕事を辞めたことにより、一体何をどうして過ごしていいものか分からなっていた時でした。
そういえば長しくまともな恋愛をしていなかったんだと気づくことになりました。「こういうときこそ支え合える人が居たら安心だ」と思い、友人の誘ってくれたパーティーに参加しました。
2回目に参加したピザパーティーで今の旦那と知り合いました。お互いシャイで物静か。社交場慣れしていて笑い声が響く会場の中、何を話して良いのか、時々お互いに躓きながら不器用に会話したことを覚えています。
その日は私のことばかりを話しました。ダンスをしていること、逆に言うとダンスしかしてこなかったこと。
身体を壊して初めて、そのことをちょっと反省しているということ。物静かながら、よく話を聞いてくれました。
パーティーの後にFACEBOOKの申請がきて彼のページを見てみると、3つの会社を経営する事業家の方でした。
「え~、普通そういうのってああいう場所でもっと自慢するんじゃないの?」ととても驚ろきました。
投稿内容もとてもしっかりしていて、感心すると同時に人間の奥深さも感じました。その後何度か食事に行き、告白され付き合うようになり付き合って半年で結婚しました。
結婚して脱ニートしてお金の心配がなくなった

結婚をしてニート時代と変わったことは、まず第一に将来へのめどがついたことです。これは金銭的にもそうですし、環境的にもです。
私は元々3年で地元に帰るつもりで東京暮らしをしていたため、それまではどこか「東京は骨を埋める場所ではない」「いつかここを去るんだろう」という前提で暮らしていました。
そのためできるだけ物を持たないようにと一人暮らしの部屋の中も殺風景でした。交友関係においても、無意識のうちに必要以上に広めようとしないようしていた節がありました。
しかし、旦那は実家もすぐ近くですし、きっと死ぬまでここで暮らすんだなぁと思うようになりました。ここに根を生やす覚悟ができました。
また、お金の心配をしなくて良くなったことは大きいです。幸いなことに、旦那は「俺が働くからお前は好きなことをしろ」とプロポーズしてくれました。
ダンスしか知らなかった私にとっては涙が出るほどうれしい言葉でした。ダンス一本で稼ぐことはなかなか難しく、貯金もさほど作れない・・・。
好きなことで稼ぐことの大変さや自分のビジネスセンス不足にがっかりすることもありましたが、お金の問題から解放されたことで逆に本当に自分がしたいことがはっきりした気がします。
結婚して変わった最大のポイントとしては、「人が大事にしている物を私も大事にしよう」と思えるようになったこと。
自分のことばかりではなく、旦那にとっての幸せが何なのか。形ばかりでなく心からそれを考えるようになりました。
そんなふうに考えられるようになったのも、全て旦那の人柄のおかげだと思います。今の旦那と知り合えて本当に良かったと思っています。