私は現在27歳の男性です。新卒で営業に就き、その後半年で辞めてニートになりました。半年の貯金はすぐにそこをつき、日雇いのフリーターになりました。
しかし、それでも生活は苦しく、自分に何ができるのかを考え福祉の世界に飛び込み正社員として働いています。
約5年ほどこの業界にいます。今は福祉施設の管理者として地域・社会貢献しております。短いニートでしたが、少しでも現実を知ってもらえたらと思い書かせていただきます。
目次
ニートになった理由は働き過ぎによるうつ病の発症

私は4年生大学を卒業して順調に就職しました。私が選んだ業種は営業職でした。もともと人と話すことも好きだったのできっと私には向いている業種だと思い自信をもって就職しました。
営業職として自社製品の良さを伝え、その製品を使ってもらえたらという思いで頑張っていました。
しかし、社会はそんなに甘いものではなかったです。新入社員がどんなに出向いても話すら聞いてくれないことが続きました。
必死に頑張ってもなかなか契約に結びつかない事も多くストレスが溜まる一方でした。それでも諦めずに何度も何度も営業先に足を運びました。
少しずつ話を聞いていただけるようになりポツリポツリと契約をいただけるようになりました。
私の性格上、イケイケドンドンな為、流れに乗れば次々と契約を取ることができました。契約がとれることが楽しくて次々と営業をしていました。
しかし、気付いた頃にはお客さんの数が通常の倍になり私のキャパを超えてしまっていました。
新規がとれることが楽しいという考えだけでやった結果次々と契約をとれてしまい、最終的に過労により倒れてしまいました。
あれだけ仕事が好きだったのに倒れたことがきっかけで鬱病にもなってしまいました。人と会うのも嫌になり、逃げ出すようにそのまま体調不良を原因に退職しました。
その頃は社会に出て働きたくない気持ちが強く家に引きこもっていました。私は一人暮らしをしてた事もあり半年貯めた貯金はみるみるうちになくなりました。これが私のニートの始まりです。
ニート期間中は40万の貯金を切り崩して一人暮らし生活

私は新卒で就職して半年しか働いていなかった為、貯金は40万程度しかありませんでした。もちろん退職金もないです。
就職するにあたって実家を出て一人暮らしをしていた為、貯金を崩しての生活が始まりました。
最初は何も考えずに食事などもコンビニのお弁当なので済ましていましたが、1週間でもかなりの金額になってしまいました。
食費を少しでも抑えるために、コンビニではなくスーパーマーケットに買い物に行くようになりました。
できるだけお弁当や総菜ではなくて、もやしや豚バラ肉といった安いものを買い込んでいました。
おそらく毎週同じようなものを食べていたのでしょう。私は食に関してそこまでこだわりがなかったので特に気にはなりませんでした。
次に節約したのは水道代と電気代でした。湯船にお湯をはるのはやめてシャワーにしました。もちろん短時間です。
あとは使わない電化製品のコンセントはすべて抜きました。待機電力さえ惜しかったのです。最後の最後は冷蔵庫のコンセントも抜きました。
貯金が底を尽き、食材が何もなくなり冷蔵庫として機能してませんでした。ただの置物です。その後は家賃の滞納などもしましたが何とか、お金をかき集め生活しました。
そしてこの後のことが私を大きく動かしました。米もなくなりついに食べるのもさえなくなった時に食べたものがティッシュでした。
子供のころにテレビでティッシュに醤油をつけて食べているのを見た記憶がうっすらあり、試みてみました。正直食べれなくはなかったですが美味しくはなかったです。
あの時の記憶は10年たった今でも鮮明に覚えています。その日に私はニートを辞めようと決めました。
就職活動をしようと思ったのは貯金がなくなったから

上記にも書きましたが、貯金も底が尽き、ティッシュを食べるところまで行ってやっと働こうと思いました。正直『自分は何をやっているんだ』と我に返った感じです。
ギリギリの生活でも、人としての最低ラインでは生きていけると思っていましたが、さすがにティッシュを食べる行為は私の中で最低ラインを下回ったようです。
当時は何も思いませんでしたが、お笑い芸人の麒麟の田村さんが中学生時代に段ボールを食べたのと同じレベルと気付いた時のショックは大きかったです。
働こうと思ったものの、何をするかが問題でした。すぐに正社員で働くのは全く考えず、『まずはフリーター』と自分の中で段階を決めました。
しかも休みたいときはある程度融通の利く日雇いのアルバイトにしました。自分が働きたいときだけエントリーして働きに行く。自分には合ってるスタイルでした。
身体も鍛えなおしたかったので、建設現場などの力仕事をメインに探しました。お給料も普通の仕事よりも少し割高だったので一石二鳥でした。
就職活動中に困ったのはニート期間中の空白期間の説明

私は新卒ですぐに仕事を辞めてしまいニートになり、フリーターとなったのでなかなか履歴書には書きにくい内容になっていました。
ニート・フリーター期間は履歴書でも空白の時間でした。必ず面接その期間に何をしていたのか、なぜ1年近く正社員として働かなかったのかと聞かれます。
正直にニートをしていたとは言えなかったので、全てフリーターとして『自分が何の仕事に向いているのかを真剣に探していました』と答え、この話は終わらせていました。
新卒を半年でやめたことに関しては『若気の至り』といって笑ってごまかすことしかできませんでした。面接官からしたら『笑い事ではない』と思っていたかもしれません。
正社員になるためにいくつか面接を受けましたが、毎回同じようなことを聞かれるので最後の方は答えるのに慣れてしまいました。
前職を体調不良でやめたことはマイナスイメージになる為、伝えず自己都合退職としていました。
就職活動ではニート期間中について聞かれるので事前準備が大切

履歴書に関してはなんでもかんでも素直に書き過ぎると面接が通りにくくなるかもしれません。
もちろん嘘の情報を書くのは違法なのでダメですが、常識の範囲内で不必要と感じる内容は書かなくて良いと思います。
面接では必ず働かなかった空白に時期について聞かれると思います。その時に黙ってしまうのはイメージが良くないので、事前に何パターンか答えを考えておいて、面接官の問いに合う回答をすぐに答えられるようにすると良いと思います。
すぐに答えられるということは自分の意見に自信があり間違っていないと感じてもらいやすいです。
また面接時に過去の事ではなく、未来の事、これから自分が就職したらどうしていきたいのかを明確に伝えていければ、先々を真剣に考えている人と思ってもらえると思います。
ニートは決して恥じることではありません。ニート時代を経験してない人には持っていない考えを持っています。
働きたくても働けない、働きたくない、でも再度仕事に就こうと切り替えられる強い気持ちがあります。すごく勇気があり、大きな一歩を踏み出せる人間なんです。
『私はニートだったから…』と弱気にならず、『これから巻き返すんだ』『社会に貢献するんだ』と前向きに面接に挑みましょう。
私はニートを辞めて10年ほど経ちますが、福祉の世界に就職して、資格をとって、転職で色々経験して、今は福祉施設の管理者として勤めています。
地域・社会貢献できているのも、あの時ニートになってティッシュを食べたからでしょう。何事も経験です。是非就活を頑張って、社会の一員として活躍することを願っております。